東京堂書店2階よりフェアのご紹介

神田神保町店2階で開催中のフェアをご紹介させていただきます。

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冨山房百科文庫フェア

昭和初期より出版されている冨山房百科文庫は、我が国においてポケット判古典叢書の先駆けとして知られております。(詳しくは冨山房さんのページにてご覧下さい)一例をご紹介いたしますと佐藤春夫さんの「退屈読本」などは冒頭に丸谷才一さんがその内容のユーモアや奥行きまでとらえたこれ以上ない題名だという件について解説されており、文人である作者の生き方を嫌みなく諧謔味を込めて綴った名エッセイであるといえます。この他にも詩やエッセイを中心として「近代の超克」など思想書も含めた現在入手可能な全ての書籍を集めてございます。 

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日本人の「失敗の本質」フェア

大東亜戦争(「太平洋戦争」であると中国などの戦線を含まないので本書にならってこちらの呼称を使わせていただきます)で日本は何故負けたのか。その失敗の理由を社会科学の知見から分析し、その原因と本質を探った名著「失敗の本質」(中公文庫)を中心としたフェアを展開中です。山本七平氏によれば旧日本軍は軍国主義ですらなく、通常の合理的思考とは程遠い組織であったといいます。それら各戦線における失敗の諸要因は現在の日本の組織での事例とさほど変わるところがありません。それは今回の原発事故が人災といわれるほど危機管理の対応を誤ったことからも明らかです。

このような危機において実際的であるはずの問題解決の場で、それとは別の次元に本来はあるはずの事柄が中心として幅を利かせるのは何故か。また旧日本軍という日本人にとってかつてないほどの規模で行う組織的行動は、その管理は、本来如何にあるべきであったのか。目の前にある組織という現実を知るためにも先の戦争は欠かせない材料としてあります。

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以上二つのフェアは東京堂書店2階すずらん通り沿い階段上がってスグのコーナーにて開催中です。ご来店の際には是非ご覧になって見て下さい。

 (理工・映画・ウェブ更新担当:石井)

6月18日追記:現在両フェアとも2Fエレベーター前に移動しております。ご迷惑をおかけいたしますがよろしくお願いします。

6月27日追記:両フェアとも開催期間は6月末となります。お求めの書籍がございましたらお早めにご来店下さい。

今週のベストセラー(4月26日調べ)

1 人生の四苦八苦 車谷 長吉 新書館 1680円 B6
2 子規、最後の八年 関川 夏央 講談社 2415円 B6
3 災害がほんとうに襲った時 阪神淡路大震災 中井 久夫 みすず書房 1260円 B6
4 白桃 野呂邦暢短篇選大人の本棚 野呂 邦暢 みすず書房 2940円 B6
5 サザエさん一家の公的保険 梅本 達司 東京堂出版 1890円 A5
6 原子炉時限爆弾-大地震におびえる日本列島 広瀬 隆 ダイヤモンド社 1575円 B6
7 日本の原発、どこで間違えたのか 内橋 克人 朝日新聞社 1575円 B6
8 おかしな本棚 クラフト・エヴィング 朝日新聞社 1995円 A5
9 珈琲とエクレアと詩人 橋口 幸子 港の人 1260円 不明
10 初めての原稿依頼 高峰秀子との仕事1 斎藤 明美 新潮社 1575円 B6

小沢信男さん×黒川創さんトークイベント開催決定!

「地震と東京と西村伊作、ほか」
小沢信男さん×黒川創さんトークイベント開催!

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開催日時 5月21日(土)15:00~17:00(開場14:45)
開催場所 神田本店6階
参加方法 参加費500円(要予約)
電話または、メール(tokyodosyoten@nifty.com)にて、件名「小沢さん黒川さんイベント希望」・お名前・電話番号・参加人数、をお知らせ下さい。イベント当日と前日は、お電話にてお問合せください。電話 03-3291-5181

今週のベストセラー(4月19日調べ)

1 人生の四苦八苦 車谷 長吉 新書館 1680円 B6
2 原子炉時限爆弾 広瀬 隆 ダイヤモンド社 1575円 B6
3 謎解きはディナーのあとで 東川 篤哉 小学館 1575円 B6
4 空也上人がいた 山田 太一 朝日新聞社 1260円 B6
5 地図で読む戦争の時代 描かれた日本、描か 今尾 恵介 白水社 1890円 B6
6 ヤクザ1000人に会いました! 鈴木 智彦 宝島社 1200円 B6
7 心を整える。 勝利をたぐり寄せるための 長谷部 誠 幻冬舎 1365円 B6
8 名前とは何か なぜ羽柴筑前守は筑前と関係 小谷野 敦 青土社 1890円 B6
9 いねむり先生 伊集院 静 集英社 1680円 B6
10 麒麟の翼 東野 圭吾 講談社 1680円 B6

「トラウマ映画館」発売記念 カルトな漫画・映画・批評フェア

trauma(このテレビ局はフィクションです!)

「トラウマ映画館」(集英社刊 町山智浩著)発売記念
カルトな漫画・映画・批評フェア開催!

町山智浩さんの新刊「トラウマ映画館」(集英社)の発売を記念して、「カルトな漫画・映画・批評フェア」と題してフェアを現在1Fエレベーター前にて開催しております。町山さん自身の既刊書籍やおすすめ漫画・書籍、ポッドキャストや「トラウマ映画館」で言及された関連書籍を中心として揃えております。

町山さんが子供時代にTVで鑑賞して衝撃を受けた、一見ではカルトでゲテモノ、二見三見では後ろ暗さの中にまだ見ぬ人生の底知れぬ真実を臭わせる作品を語る町山さんの語り口は突然変異的で相互に繋がりなど何ら見いだせないと思われていた点としての孤高の作品群を線として繋げ、日本人には疎い歴史的な文脈などから面として語る、経験知に基づく確かな知見があります。それと共に父母や自身の境遇故の複雑な感情が、語られる映画を通して滲んでいるこれまでより私的な一冊だと言えます。ご来店の際には是非フェアの方にもお越し下さい。

フェア開催期間予定:3月25日~5月予定。

(映画・理工・ウェブ更新担当:石井)