7/12(火)19:00~ 晶文社『吉本隆明全集』第10回配本記念
橋爪大三郎さん×水無田気流さんトークイベント「詩と科学の魂をつなぐ」

吉本隆明さん(1924~2012)は、大学にも、会社にも、文壇にも属さず、その学問的生涯を完全な在野としてすごした異色の思想家です。敗戦後の虚無のなかから、みずからの思想を自分の言葉だけで構築し、激変していく社会のなかで、既成の常識や権威に、自分の言葉だけで立ち向かおうとし続けた、稀有な人でした。その発言は、詩、文学、政治、哲学、宗教、言語学、性愛、さらにはサブカルチャーにまでおよび、徹底的に突きつめられたその言説は、熱狂的な共感と反発を生み出しました。時代時代の危機に際して、いつもはっきりした足跡を印そうとしたその態度と著作の規模は、日本の思想史において、いまなお抜きん出た存在であり続けています。

晶文社『吉本隆明全集』(全38巻+別巻1)は、2014年3月に刊行を開始し、この6月に第10回配本である第1巻が発売されます。その刊行を記念し、吉本さんの巨大な業績を振りかえるとともに、そこに残された、現代に接続可能な課題とは何かを探る、そんなテーマの連続講座を開催したいと思います。

第一回のゲストである橋爪大三郎さんと水無田気流さんは、かつて東京工業大学世界文明センターの副センター長およびフェローとして吉本さん宅に通い、芸術言語論についての講義ビデオを制作したというご縁のあるふたり。今回の対談では、吉本思想を支えた科学と詩、両方の魂に光をあてながら、歴史の大きな転換点にある今、時代に対して私たちはどのような態度でのぞむべきなのか、そんな解析を試みていただこうと思います。

企画:晶文社広報部

 

プロフィール

橋爪 大三郎(はしづめ・だいさぶろう)

1948年、神奈川県生まれ。社会学者・東京工業大学名誉教授。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。理論社会学、比較宗教学、現代社会論、現代アジア研究などをてがける。『はじめての構造主義』、『はじめての言語ゲーム』、『ふしぎなキリスト教』(共著)(以上、講談社現代新書)、『永遠の吉本隆明 増補版』(洋泉社新書y)、『ほんとうの法華経』(共著、ちくま新書)、『あぶない一神教』(共著、小学館新書)、『クルアーンを読む』(共著、太田出版)、『日本逆植民地計画』(小学館)など著書多数。

 

水無田 気流(みなした・きりう)

1970年、神奈川県生まれ。詩人・社会学者。早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程単位取得満期退学。詩人として『音速平和』で中原中也賞、『Z境』で晩翠賞を受賞。著書に、『黒山もこもこ、抜けたら荒野 デフレ世代の憂鬱と希望』、『平成幸福論ノート』(田中理恵子名義)、『シングルマザーの貧困』(以上、光文社新書)、『無頼化した女たち』(亜紀書房)、『「居場所」のない男、「時間」がない女』(日本経済新聞出版社)など。

 

 

開催日時:2016年7月12日(火) 19時00分~(開場18時30分)

開催場所:東京堂書店 神田神保町店6階 東京堂ホール

参加方法:参加費 500円(要予約)

参加ご希望の方は店頭または電話にて、『橋爪大三郎さん×水無田気流さんトークイベント参加希望』とお申し出いただき、名前・電話番号・参加人数をお知らせ下さい。電話 03-3291-5181 イベント当日と前日は、電話にてお問い合わせ下さい。

当日17:00より1階レジカウンターにて受付を行います。 イベントチケットは6階入口にて回収致しますので、そのままお持ちください。

【神田神保町店2016/5/31調べ】週間ベストセラー

古い洋画と新しい邦画と 本音を申せば  文藝春秋
ランチパスポート神保町・水道橋・御茶ノ水 Vol.5  DRCマーケティング
虚構の男 ドーキー・アーカイヴ  国書刊行会
ロックの英詞を読む―― 世界を変える歌 ロックの英詞を読む  集英社インターナショナル
闇と静謐  論創社
「リベラル」がうさんくさいのには理由がある  集英社
日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか  集英社インターナショナル
日本会議とは何か : 「憲法改正」に突き進むカルト集団 合…  合同出版
トランプがローリングストーンズでやってきた 言霊USA20…  文藝春秋
1974年のサマークリスマス 林美雄とパックインミュージッ…  集英社
〈05月31日調べ〉

6/22(水) 19時~ 『テロリスト・ワールド』(現代書館)刊行記念
鈴木邦男さん×真鍋厚さんトークショー 「わたしの中の〈テロリスト〉~絶望の時代を生きるための暴力論~」

貧困、差別、戦争、そして愛国心――いつの時代にも、正義と改革を求め人びとは戦い、壮絶な命のやりとりを続けてきた。テロリズムが止まない世界で生きるわたしたちは、今、どんなリテラシーを身につけ、どんな自意識を目覚めさせるべきなのか? 歴史・事件、メディア、映画等、さまざまなテロリスト像の中にある、わたしたちの意外な〈自意識〉を浮き彫りにする討論を、愛国者として闘い続ける鈴木邦男氏と、圧倒的な力作『テロリスト・ワールド』を上梓した新進気鋭の評論家・真鍋厚氏が繰り広げます。

プロフィール

鈴木 邦男(すずき・くにお)

1943年、福島県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。72年、新右翼団体「一水会」を結成。著書『愛国者は信用できるか』(講談社現代新書)、『右翼は言論の敵か』(ちくま新書)、『ヤマトタケル』(現代書館)など多数。共著書『いま語らねばならない戦前史の真相』(現代書館)など。

真鍋 厚(まなべ・あつし)

1979年、奈良県生まれ。大阪芸術大学大学院芸術制作研究科修士課程修了。評論家、著述家。出版社に勤務する傍ら評論活動を行っている。『週刊SPA!』が運営するニュースサイト『日刊SPA!』で、映画の読み解きを通じて社会問題や戦争などを論じるコラムを執筆している。

 

開催日時:2016年6月22日(水) 19時00分~(開場18時30分)

開催場所:東京堂書店 神田神保町店6階 東京堂ホール

参加方法:参加費 500円(要予約)

参加ご希望の方は店頭または電話にて、『鈴木 邦男さん×真鍋 厚さんトークイベント参加希望』とお申し出いただき、名前・電話番号・参加人数をお知らせ下さい。電話 03-3291-5181 イベント当日と前日は、電話にてお問い合わせ下さい。

当日17:00より1階レジカウンターにて受付を行います。 イベントチケットは6階入口にて回収致しますので、そのままお持ちください。

【神田神保町店2016/5/24調べ】週間ベストセラー

森達也 青木理の反メディア論  現代書館
古い洋画と新しい邦画と 本音を申せば  文藝春秋
ランチパスポート神保町・水道橋・御茶ノ水 Vol.5  DRCマーケティング
漫画家、映画を語る。 : 9人の鬼才が明かす創作の秘密  フィルムアート社
日本会議とは何か : 「憲法改正」に突き進むカルト集団  合同出版
ギケイキ : 千年の流転  河出書房新社
昼ベロ酒場 明るいうちから呑める安くて旨い店 東京編  辰巳出版
ある子供  松籟社
村に火をつけ、白痴になれ : 伊藤野枝伝  岩波書店
ロッキング・オン天国  イースト・プレス
〈05月24日調べ〉

6/24(金)  19時~ 『盗まれた廃墟ーポール・ド・マンのアメリカ』(彩流社)刊行記念
巽孝之さん&土田知則さんトーク・セッション 「知の巨人ポール・ド・マンを脱構築する」

ジャック・デリダの盟友ポール・ド・マン(1919-83年)は、イエール学派を率い、北米における脱構築批評を確立したことで広く知られています。
没後 30年にあたる2013年には、二大主著『盲目と洞察』『読むことのアレゴリー』が相次いで邦訳されたのを承け、岩波書店『思想』 20 13年 7月号で全面特集が組まれるなど、その文学思想の影響力はいまだに色褪せることがありません。

1919年にベルギーに生まれ、旧大陸ヨーロッパで政治的に挫折したド・マンが、いったいどのようにしてアメリカに渡り、ポスト構造主義以降の北米アカデミズムの中心人物になりおおせたのか?  1983年の没後に、彼が戦時中に発表していたナチス・ドイツ寄りの記事が発見され脱構築批判が起こったのちにもなお、ド・マンのテクストが読まれ続けているのは、いったいなぜか? 2014年にはド・マンのかつての同僚イヴリン・バリッシュが伝記『ポール・ド・マンの二重生活』を刊行し、その人生の全貌が明らかになりつつある現在、アメリカ文学思想史上最大の謎に巽孝之さんが挑んだのが、新刊『盗まれた廃墟』です。
今回は、没後30年の折に、岩波書店より前掲『読むことのアレゴリー』の邦訳と研究書『ポール・ド・マン』を刊行し、さらには今夏、ド・マンの高弟バーバラ・ジョンソンの第二作『批評的差異』の全訳(法政大学出版局)の刊行も予定しておられる土田知則さんをお招きし、公開対談を企画いたしました。

ド・マンの構築した批評そのものはむろんのこと、脱構築批評の最も 21世紀的な意義をめぐって、ぞんぶんに語っていただけることでしょう。

我が国におけるド・マン研究をリードするお二人のスリリングな対話に、どうぞご期待ください。

 

プロフィール

巽孝之(たつみ・たかゆき)慶應義塾大学文学部教授(アメリカ文学、現代批評理論)

1955年、東京生まれ。コーネル大学大学院修了(Ph.D, 1987)。日本英文学会監事、日本アメリカ文学会会長、アメリカ学会理事、北米学術誌 The Jourrnal of Transnational American Studies 編集委員などを務める。
● 主著に『サイバーパンク・アメリカ』(勁草書房、1988 年度日米友好基金アメリカ研究図書賞)、『ニュー・アメリカニズム』(青土社、1995年度福澤賞)、『アメリカン・ソドム』(研究社、2001 年)、『リンカーンの世紀』(青土社、2002年)、『「白鯨」アメリカン・スタディーズ』(みすず書房、2005年)、『モダニズムの惑星』(岩波書店、 2013年)、 Full Metal Apache (Duke UP, 2006, 2010 IAFA Distinguished Scholarship Award) など多数。
『盗まれた廃墟』は『メタフィクションの謀略』(筑摩書房、 1993年)、『メタファーはなぜ殺される』(松柏社、 2000年)に続く批評理論研究である。


土田知則(つちだ・とものり)千葉大学文学部教授(フランス文学・文学理論)

1956年、長野県に生まれる。1987年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。著書に、『文学理論―テクスト・読み・世界』(共著、新曜社、1996年)、『間テクスト性の戦略』(夏目書房、2000年)、『文学理論のプラクティス―物語・アイデンティティ・越境』(共著、新曜社、2001年)、『ポール・ド・マン―言語の不可能性、倫理の可能性』(岩波書店、2012年)ほか、訳書に、ショシャナ・フェルマン『狂気と文学的事象』(水声社、1993年)、バーバラ・ジョンソン『詩的言語の脱構築―第二ボードレール革命』(水声社、1997年)、マーティン・マックィラン『ポール・ド・マンの思想』(新曜社、2002年)、ジャック・デリダ『そのたびごとにただ一つ、世界の終焉』(共訳、岩波書店、2006年)、ポール・ド・マン『読むことのアレゴリー―ルソー、ニーチェ、リルケ、プルーストにおける比喩的言語』(岩波書店、2012年)ほかがある。

 

 

開催日時:2016年6月24日(金) 19時00分~(開場18時30分)

開催場所:東京堂書店 神田神保町店6階 東京堂ホール

参加方法:参加費 500円(要予約)

参加ご希望の方は店頭または電話にて、『巽孝之さん×土田 知則さんトークイベント参加希望』とお申し出いただき、名前・電話番号・参加人数をお知らせ下さい。電話 03-3291-5181 イベント当日と前日は、電話にてお問い合わせ下さい。

当日17:00より1階レジカウンターにて受付を行います。 イベントチケットは6階入口にて回収致しますので、そのままお持ちください。